コロナ禍ではさまざまな点に警戒しなければなりません。
感染しないように対策を徹底することはもちろんですが、それ以外の脅威についても注意する必要があります。
特に深刻化しているのが、世の中の混乱に乗じて儲けようと目論む詐欺の存在です。
実際、いろいろな場所ですでに多くの被害が発生しています。
比較する対象がまだ確立されていない
普段は引っかからない人でも、この状況では騙されてしまう可能性が高くなります。
なぜなら、比較する対象がまだ確立されていないからです。
嘘を見抜けるのは、真実に触れた経験があるからに他なりません。
それまでの生活で悪事を見破るヒントをすでに得ているということです。
一方、パンデミックにおける生活をこれまでに経験している人は多くありません。
そのため、馴染みのないことを提案されても、非日常の現状においては不自然だと気付きにくいです。
たとえば、ウイルスに効果があると言って、ただの水に見える液体の入ったペットボトルを紹介されたとします。
平常時なら怪しいと感じて耳を貸さない人でも、感染予防に注力している状況なら話ぐらいは聞こうとするかもしれません。
そうすると相手のペースになってしまい、言葉巧みにこちらの心情を誘導していきます。
敏腕のビジネスマンでも詐欺に騙されている事例が少なくない
その結果、ただのペットボトルであるにもかかわらず、ウイルスに効果があると信じ込まされてしまう恐れがあるのです。
自分だけは大丈夫だと思って油断していると、手痛い目に遭うリスクが高まるので気を付けてください。
敏腕のビジネスマンでも詐欺に騙されている事例が少なくありません。
たとえば、給付金や助成金に関する事件もよく起こっています。
本来は受給する資格がない人に対し、自分の言うとおりにすれば受給できると騙すことが特徴です。
持続化給付金はその悪事が顕著に見られ、事業者でもない人が事業者向けの支援金を受け取ることになりました。
そこから手数料という名目で数割をもらうことが主な手口です。
この場合、被害に遭った人は、無意識のうちに犯罪に加担していたことになります。
気付いた時点で受け取った金額を返却できる措置が取られましたが、手数料を支払っていれば、トータルでマイナスになってしまいます。
自分に資格がないと気付いたにもかかわらず、黙ってやりすごとうそした場合、厳しく罰せられる可能性もあります。
パンデミックの初期と比べて被害は少なくなってきた
その他にも、さまざまな手口の詐欺が見受けられ、政府や自治体が注意喚起を懸命に行っています。
その成果もあり、パンデミックの初期と比べて被害は少なくなってきました。
前述のように、非日常だった暮らしが少しずつ日常化していることも関係しているでしょう。
明らかに不自然なものに対しては、そうであると気付けるセンサーが備わってきたということです。
ただし、だからといって安心するのは早計といえます。
なぜなら、悪意のある人物はその実情を踏まえ、次々と新しい方法で騙そうとしてくるからです。
これからの社会がどのように変わっていくのか、正確に見極めるのは困難です。
いろいろな考え方があるため、その一つとして提案してくるケースも見られます。
たとえば、持続可能な社会に不可欠という名目で、質の悪い太陽光パネルを売りつける業者もいます。
この状況下で収入がダウンしている家庭は多く、少しでも節約になればと考えて、契約書にサインしてしまう人も珍しくありません。
自分に接触してきたのが詐欺師かどうか判断するには?
騙されないように対策することが大事ですが、具体的な方法が分からないというケースも多いでしょう。
最もシンプルなのは、できるだけ多くの事例を知っておくことです。
そうすれば、自分に接触してきたのが詐欺師かどうか判断しやすくなります。
とはいえ、新聞やニュースから得られる情報は限定的であり、自衛に役立つほど入手できないことも少なくありません。
そこでポイントになるのが、自治体のホームページをチェックすることです。
すべての自治体というわけではありませんが、実際にあった被害を紹介していることがよくあります。
これによって、自分の住んでいるエリアで特に警戒が必要な内容についても把握できるでしょう。
前述のように手口は次々と変化していくので、ホームページをこまめに見ることがポイントになります。
詳しく知りたい事例があれば、自治体の担当部署に尋ねてみることも一つの手です。
そうすれば具体的な対策方法を教えてもらえる場合もあります。
まとめ
いずれにせよ、手口が巧妙化しているのは間違いなく、それが広く知れば渡る前に狙われるとやっかいです。
今の時代は、SNSがあるので情報が広まるスピードはとても速くなっています。
SNSで拡散された後であれば、自分が被害に遭う可能性も想定しやすくなるでしょう。
しかし、自分が最初に狙われた場合は、回避する難易度は格段に高まります。
したがって、初めて耳にする類の話は、常に警戒して聞くような慎重さが求められます。
詐欺を対岸の火事と見なさないことが重要なポイントです。
いつ当事者になってもおかじくないことを自覚しておきましょう。